平成24年10月20日

“間伐運動会2012”イヌワシ保護区の森林整備

社団法人東北地域環境計画研究会

 

平成24年10月20日、盛岡市矢倉の(財)日本野鳥の会が所有するイヌワシ保護区「イーハトーブ盛岡」において、“間伐運動会2012”として森林整備を実施した。

この事業は、主にイヌワシの狩場造成や餌動物の増殖等を図るため、日本野鳥の会もりおか及び岩手県自然保護協会と協力し、以前実施した列状間伐箇所を再度整備しようとするもので、10年ぶりの作業である。昨年の計画段階では一定規模の除伐作業を考えていたが、諸般の都合で準備期間が取れず、参加人員も少ないことが予想できたので、今回は今後の森林整備を円滑に実施するための作業歩道の確保を目的とした。ササ等の下草や潅木類の刈払いである。

天気は作業開始までに晴れ上がり、参加者は結局12名。

由井会長の挨拶、今回作業の趣旨説明の後、

・2~3名でグループを編成

・上り口数箇所から中腹のスギとアカマツの樹種界を目標に刈払いながら登る

・樹種界に到達したら境界沿いに横に刈払う

ことを申し合わせ、10時頃から各自持参の鎌、鉈、鋸、刈払い機を武器に急斜面に向かった。山仕事クラブから3名の参加があり、心強く、最もきつそうな場所をお願いした。

報告者の作業感覚から記述することをお許し願うが、林道から樹種界まで約50m、身の回りの刈払い作業だけで1時間。急斜面のため手掛かりを伐り残して進む必要があった。横方向も思ったより時間が掛かる。伐り倒した樹木の枝が立ち木に絡み、片付けに一苦労。横方向の成果も40~50mか。隣のグループと連結できないまま、12時過ぎに林道に戻り、作業終了の声をかけた。疲労感もあるが爽快である。

各グループが集合しかけた時、誰かが「クマタカ!」と叫ぶ。林道上空約30mを上流方向から滑るように現れ、下流方向に見える尾根の上空で旋回して消えた。私達の作業を喜び、慰労してくれたと思いたい。イヌワシのみならず、クマタカにとっても絶好の狩場を拵えているのだから。

約2時間に及んだ各グループの成果を報告し合い、連結しないものの横方向の作業歩道設置に概ね目処がついたことから、成功と言える。今後も協力し合うことを約束し、記念撮影後12時30分過ぎに解散した。参加していただいた皆さんに感謝。

 

 

矢倉のサムライ12人

1 現地データ<記録>

・盛岡市新庄小貝沢23-7、面積8.4ha

・鳥獣保護区特別保護地区

・スギ、アカマツ植栽地(約38年生)

2 今後の課題

・再度の列状間伐

・資金の確保

・駐車スペースの確保(側溝部等利用)

・広報、保険加入、トイレ設置など
3 参加者 ・できれば軽トラ用作業道がほしい

【山仕事クラブ】笹村忠佑、田沼貞夫、石川正樹

【日本野鳥の会もりおか】中村 茂、(佐賀耕太郎)、(伊達 功)、(西岡裕介)

【岩手県自然保護協会】中村 正、菊池昌彦

【東北環境研】由井正敏、浅沼晟吾、佐賀耕太郎、工藤公也、伊達 功、西岡裕介