ごあいさつ
会長 由井 正敏 |
2024(令和6)年度のごあいさつ 本研究会は「安全で豊かな地域の創造」を目指して1992(平成4)年に任意団体として発足、1997(平成9)年に社団法人に移行、2014(平成26)年には一般社団法人となり、継続して自然環境(主として森林環境や野生生物保護)の保全と地域再生に関する研究及び実践を重ねてまいりました。 2023(令和5)年度は、これまでの活動方針に則り各種行事や調査を実践してまいりましたが、各種感染症の影響もあって室内行事の一部は未実施となりました。 そのなかでも、東北地方に生息するイヌワシの繁殖状況調査(環境省受託事業)のほか、前年度に引き続きイヌワシ営巣地補修業務への支援を行いました。うち1か所では改修後の巣で産卵が確認されています。当会独自のイヌワシ基金等を活用した営巣地保全活動及び調査活動も引き続き実施し、こうした長期に渡る活動成果は今年3月に岩手県が公開した「陸上風発電事業に係る環境影響評価ガイドライン」(イヌワシの重要な生息地:レッドゾーンマップ)に生かされています。 また、継続して取り組んでいる間伐運動会(盛岡市中津川上流における希少猛禽類保護の取り組み)は、岩手の森林づくり県民税の補助をいただいて他団体とともに実施しました。イヌワシの主食となるノウサギの生活痕跡が着実に増え、整備したノウサギ隠れ家付近ではセンサーカメラに姿が記録されています。さらに、自然再生事業の一環として取り組んでいる松尾鉱山跡地での植樹保育活動も会員及び岩手北部森林管理署等と共同して計3回実施しました。過去に植栽したヤマハンノキは樹高12mに達しています。 そのほか、会員の自主研究を支援する事業では2件(「ハナカジカの系統地理学」、「海岸植生の保護活動」)の助成を行い、報告書を刊行(1件は今年度刊行)しました。一方、一般公開事業である森林・環境フォーラム、同じく一般公開事業の研究懇話会は前述の理由で実施を見送ることとなりました。 2024(令和6)年度は、感染症防止に留意しながら今年度活動計画に沿って諸活動を実施して参りますので、会員各位におかれましては、とうほく・岩手の自然環境保全や安全で豊かな地域づくりに向けて、当研究会へのご支援と活動への参加を賜りますよう心より期待しております。 2024年6月 |